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あせも(汗疹)

赤いぶつぶつ、透明なプチプチ、かゆそうにかきむしる姿——夏や汗をかいたあとに首やひじの内側、おむつの中に出るあせもは、赤ちゃんから小学生まで、とてもよく見られる皮膚のトラブルです。多くは環境を整えるだけで数日から2週間ほどで自然に落ち着きますが、かきこわして「とびひ」に進むこともあるため、見分け方とおうちでのケアを知っておくと安心です。

💡 この記事の要点

  • 汗の通り道が詰まって起こる皮膚トラブルで、多くは環境を整えれば自然に落ち着きます。
  • 室温26〜28℃前後を目安に、汗をかいたらぬるめのシャワーでやさしく洗い流しましょう。
  • 治し方の順番は「冷やす・やさしく洗う・涼しくする」の3つが先で、薬はそのあとです。
  • かきこわしてジュクジュクしてきたら「とびひ」の可能性があるため受診をご検討ください。

どんな病気か

あせもは、汗の通り道(汗管)が一時的にふさがり、汗が皮膚の中にとどまって炎症を起こす状態です。汗をかきやすい乳幼児や小児に多く、夏の高温多湿や、寝具・衣類で熱がこもる環境で増えます。

詰まる位置の深さによって、見た目とつらさが変わります。

タイプ 見た目 かゆみ
透明な水ぶくれタイプ(水晶様汗疹) 透明〜白っぽい小さな水ぶくれ ほぼなし
赤いぶつぶつタイプ(紅色汗疹/いちばん多い) 赤い小さな盛り上がり(「ぶつぶつ」と表現されるもの) あり・チクチク感
深いところで起こるタイプ(深在性汗疹) 白っぽく盛り上がる、まれ ほぼなし

出やすい場所は、首・ひたい・髪の生え際・背中・ひじの内側・ひざの裏・おむつの中など、汗がたまりやすい部位です。

主な症状と気づきのポイント

「うちの子のこのぶつぶつ、本当にあせもなの?」というのが、保護者がいちばん最初に気になるところだと思います。あせもらしさを見分けるポイントは次の3つです。

  • 見た目: 透明な小さなプチプチか、赤くて小さなぶつぶつが、汗ばむ場所にぱらぱらと出ている
  • タイミング: 暑い日・運動のあと・お昼寝で汗をかいたあとに出やすく、涼しい環境で短時間のうちにおさまることが多い
  • 全身の状態: 発熱はなく、機嫌もそれほど悪くない(強くかゆがって泣くことはあります)

赤いぶつぶつタイプ(紅色汗疹)はかゆみやチクチク感が出やすく、かきこわすと別の皮膚トラブルに進むことがあります。透明な水ぶくれタイプは2〜3日で自然に消えることがほとんどです。

あせもの治し方 — 順番は「冷やす・洗う・涼しくする」が先

「あせも 治し方」で調べると塗り薬の話が先に出てきますが、あせもは汗が皮膚の中にたまって起きているので、汗を減らして流すほうが先です。薬はそのあとで足すものと考えてください。

ステップ1: 汗を洗い流す

汗をかいたら ぬるめのシャワー(38〜39℃前後) か、濡らしたタオルでやさしく流します。石けんは泡立てて手のひらで洗い、こすらないこと。1日に何度も洗ってよく、そのたびに石けんを使う必要はありません。

ステップ2: かゆいところを冷やす

かゆがるときは 濡らした清潔なタオルで軽く冷やす と、その場で楽になります。保冷剤を直接あてるのは冷えすぎるので、タオルで包んでください。

ステップ3: 汗をためない環境にする

室温 26〜28℃前後を目安に、汗をかいたら着替える、通気性のよい綿の服にする、髪が首にかかるならまとめる。ここまでで、赤いぶつぶつタイプでも数日から2週間ほどで落ち着いてくることがほとんどです。

それでも治らないとき — 市販薬と処方薬

  • 市販のかゆみ止め(ムヒなど)は短期間なら使えることが多いものの、年齢制限や合わない成分があります。生後まもない赤ちゃんには自己判断で使わないでください
  • 処方薬は、かゆみ・炎症が強いときに 弱め(マイルド)のステロイド外用薬を 1 週間程度 といった短期の使い方をします。かゆみ止めの塗り薬を併せることもあります
  • 3〜4 日ケアを続けても良くならない/かきこわしてジュクジュクしてきたときは、あせも以外の可能性やとびひへの進展を考えます。受診をご検討ください

⚠️ ステロイドは「弱いものを短期間」が原則です。良くなったら止め、だらだら塗り続けないでください。長く必要になるときは、あせもではなく別の湿疹のことがあります。

赤ちゃん・新生児のあせも

生後まもない赤ちゃんは、体の大きさのわりに汗をかく量が多く、しかも自分で服を脱いだり場所を移動したりできません。そのため、首のしわ・わきの下・背中・おむつの中など、皮膚が重なって汗がこもる場所にあせもが出やすくなります。

  • 抱っこひもやチャイルドシートのあとは背中と首が汗だくになっています。降ろしたら着替えとタオルでの拭き取りを
  • 寝汗が多い時期です。夜間もエアコンを無理に切らず、寒くない設定でつけたままにしてください
  • 沐浴・お風呂のあとは、しわの内側までしっかり乾かしてから服を着せます
  • 赤ちゃんは自分でかけないぶん、顔をこすりつけたり体をよじったりして不機嫌になることがあります。「理由の分からないぐずり」の正体があせもだった、というのは珍しくありません

新生児期は皮膚が薄く、市販薬の自己判断での使用は避けてください。生後 3 か月ごろまでの赤ちゃんで、赤みが強い・ジュクジュクしている・広がっているときは、乳児湿疹やほかの皮膚トラブルとの見分けが必要なので、早めにご相談ください。

紛らわしい病気(鑑別)

あせもとよく間違えられる皮膚トラブルがいくつかあります。最終的な見分けは診察で行いますが、ご家庭での目安として整理しておきます。

  • 乳児湿疹・アトピー性皮膚炎: 慢性的に繰り返し、左右対称に広がりやすい
  • 接触皮膚炎(かぶれ): 何かに触れた場所だけに出る
  • とびひ: かきこわした傷にばい菌が入り、ジュクジュクした水ぶくれ・かさぶたができ、触った手で他の場所にも広がる
  • おむつかぶれ: おむつが触れる範囲に一致した赤み(あせもはおむつの中の汗がたまる部分に多い)
  • 手足口病水ぼうそう: 発熱や全身のぶつぶつ、口の中の症状を伴う
  • 水いぼ: 中央がへこんだ光沢のあるいぼ。かゆみは軽く、汗と関係なく数が増えていく

当院での診断と治療

問診と視診で診断します。多くの場合は追加の検査は不要で、出ている場所・形・季節・汗との関連からあせもと判断します。他の皮膚トラブルとの見分けが難しいときは、必要に応じて追加の検査を行うことがあります。

治療の基本は、汗をかきにくい・たまらない環境を整えることです。

  • 透明な水ぶくれタイプ: ほとんどの場合、特別な治療は不要で、環境を整えるだけで数日のうちに自然に落ち着きます
  • 赤いブツブツタイプ: かゆみや炎症が強いときは、医師の診察のうえで短期間のステロイド外用薬や、かゆみを抑える外用薬を処方することがあります。強さ・期間はお子さまの状態に合わせて個別に判断します
  • かきこわしてジュクジュクしてきた場合: ばい菌の感染(とびひや毛穴の炎症)が疑われるときは、抗菌薬を併用することがあります

当院では視診による診断、家庭ケアの指導、必要時のお薬の処方までを行います。見分けが難しいケースや、なかなか良くならないとき、皮膚の深いところまで炎症が及ぶときは皮膚科の先生とも連携してご案内します。「あせもくらいで受診していいのかな」とためらわれる方も多いのですが、スキンケアのご相談だけの受診も歓迎しています。

家庭でできるケア

おうちでのケアは「汗をためない」「やさしく洗う」「環境を涼しく保つ」の3つが柱です。

環境を整える

  • 室温の目安はおおむね 26〜28℃ 前後、湿度60% 程度。冷やしすぎない範囲でエアコン・扇風機・除湿を活用してください(公的ガイドラインで定められた数値ではなく、皮膚科の一般的な目安です)
  • 夜間も部屋がこもらないように、冷房は無理に切らず、お子さまが寒くない設定でつけたままで構いません
  • 寝具は綿など通気性の良いものに

汗をかいたあとのスキンケア

  • 汗をかいたら ぬるめのシャワー(38〜39℃前後)や濡らしたタオルでやさしく洗い流す のが基本です
  • 拭くときは こすらず押さえ拭き。タオルは柔らかい綿素材を
  • 石けんは よく泡立てて手のひらでやさしく洗い、しっかりすすぎます。1日に何度もごしごし洗うのは逆効果になることがあります
  • お風呂のあとはしっかり乾かしてから服を着せ、普段使っている保湿剤(ワセリンやお手持ちのベビーローションなど)を薄くなじませます。ジュクジュクしている部分には塗らないようにしてください

衣類・持ち物(いちばん手軽なあせも対策)

  • 綿素材 の通気性・吸湿性の良いものを選ぶ
  • 厚着・重ね着を避け、汗で湿った服は早めに着替える
  • 髪が首にかかるお子さまはまとめてあげると、首のあせも対策になります
  • 汗をかく前に着替えを1枚持たせておくのが、いちばん実行しやすい予防です

使わないほうがよいもの・気をつけたいもの

  • ベビーパウダー は、現在は汗の出口をふさぎ、かえって悪化させる可能性があるため積極的にはおすすめしていません
  • 市販のかゆみ止め(ムヒなど)は、年齢制限や成分の合う・合わないがあるため、迷ったら受診時にご相談ください

きょうだいや保育園について

  • あせも自体は 人にうつる病気ではありません。タオルの共有も基本的に問題ありません
  • ただし、かきこわして「とびひ」になってしまった場合はうつる可能性があります。ジュクジュクしてきたら受診の目安です

よくあるご質問

Q. ベビーパウダーを塗ってもいいですか?

現在は積極的におすすめしていません。汗の通り道をふさいでしまい、かえって悪化させることがあるためです。汗をやさしく洗い流す方が安心です。

Q. 市販のかゆみ止め(ムヒなど)を塗っても大丈夫ですか?

短期間の使用は可能なことが多いですが、年齢や成分によっては合わないものもあります。塗ってよいか迷うときは、受診をご検討ください。

Q. お風呂はどうすればいい?シャワーだけ?お湯の温度は?

38〜39℃前後のぬるめのシャワー を中心に、長湯は避けるのがおすすめです。石けんはよく泡立てて手のひらでやさしく洗い、すすぎ残しがないようにしてください。

Q. 冷房はつけっぱなしでいいですか?設定温度は?

つけっぱなしで構いません。お子さまが寒くない範囲で、室温26〜28℃前後を目安にしてください。夜間に切ってしまうと汗が一気に増えて悪化することがあります。

Q. 夜、かゆがって眠れないときにすぐできることは?

濡らした清潔なタオルで気になる場所を軽く冷やし、部屋の温度を下げて寝具を綿のものに替えてあげてください。それでも何日も眠れない日が続くようでしたら、無理せずご相談ください。

Q. あせもの跡は残りますか?

あせも自体は、跡を残さずに治ることがほとんどです。ただし、かきこわして傷になったり、とびひに進んだりすると、治ったあとにしばらく茶色っぽい色素沈着が残ることがあります。多くは数か月かけて薄くなっていきます。跡を残さない一番の方法は、かゆみを早めに抑えてかきこわさせないことです。

Q. あせもの治し方を教えてください。何から始めればいいですか?

①汗を洗い流す ②かゆいところを冷やす ③汗をためない環境にする の順です。塗り薬はこの3つをやったうえで足すもので、最初から薬に頼る必要はありません。赤いぶつぶつタイプでも、多くは数日から2週間ほどで落ち着きます。3〜4 日続けても良くならないときは受診をご検討ください。

Q. 何日くらいで治りますか?

透明な水ぶくれタイプは 2〜3 日で自然に消えることがほとんどです。赤いぶつぶつタイプは、環境を整えたうえで数日から 2 週間ほどが目安です。良くなったり悪くなったりを繰り返す場合は、汗をかく環境が続いているか、あせも以外の湿疹が混ざっている可能性があります。

Q. 保育園・幼稚園はお休みさせたほうがいいですか?

あせもだけであれば、登園に制限はありません。ただし、かきこわしてジュクジュクしてきた・「とびひ」が疑われるときは、登園前に一度ご相談ください。

症状についてのご相談

痒がるお子さまを見守る夜は、本当に大変だと思います。「これは様子を見ていい?」「もう病院に行ったほうがいい?」と迷ったときは、受診でお子さまの様子を直接見せてください。その子に合ったご案内をお伝えします。

自由が丘キッズクリニックまるまるは、自由が丘駅から徒歩1分の小児科です。あせも(汗疹)をはじめ、お子さまの気になる症状は、Web または LINE からご予約ください。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024(スキンケア総論). 2024. https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/ADGL2024.pdf (accessed: 2026-06-02)
  2. 渋谷駅前おおしま皮膚科. あせもの症状 治療方法について(参考にした解説サイト). https://shibuya-hifuka.jp/syoujou/detail/kodomo_6.html (accessed: 2026-06-02)
  3. キャップスクリニック. 汗疹(あせも)の種類と対処法(参考にした解説サイト). https://caps-clinic.jp/asemo/ (accessed: 2026-06-02)

国内ではあせも単独の公的ガイドラインは限定的で、本ページの治療・スキンケアの記載は、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024 のスキンケア総論および皮膚科の一般診療慣行に基づいています。

この記事の監修

院長 山口いぶき(日本小児科学会 専門医)

最終更新:2026 年 8 月 28 日

このページは一般的な医学情報をご紹介するもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。お子さまの症状については、受診のうえでご相談ください。

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